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2014年第4四半期開始のアニメ
2014年第4四半期開始のアニメがだいたい出そろいましたので一言ずつ。

●甘城ブリリアントパーク
さすが京アニ、丁寧な仕事。テーマパークの経営を立て直すというコンセプトはユニークだと思いますが、続けて見るにはそれだけでなくもう一声欲しかったところです。

●ガンダム Gのレコンギスタ
富野氏による脚本、ゴチャゴチャした雰囲気がよく出ています。ベルリには早くも女難の相が……

●魔弾の王と戦姫
硬派な戦記ものをラノベに落とし込んだ感じ、でしょうか。エレオノーラ1人が強いのではなく、いろいろ戦術なども考えているようなので、陣形で勝負するような戦いが見られるのかどうか、期待。エレオノーラを見ていると、性格やカラーリングからDOG DAYSのレオンミシェリを思い出すんですが…(笑)

●Fate/stay night [Unlimited Blade Works]
原作も劇場版も見ましたので、どういう話なのかは、知ってはいるわけですが…… 丁寧に話を追っていくようなので期待。今回のヒロインは凛なので、凛をかわいらしく魅力的に描こうとするのは大事で、好感が持てます。また、冬場の話なので服装もその点を意識しているようです(実は全体的に薄着なのが今までちょっと気になっていました)。

●クロスアンジュ 天使と竜の輪舞
最初の話を見て思ったのは…… 在日外国人を差別しているネトウヨのような人が、自分も在日だったと知ったらどう思うんでしょうかね。こういう見方をするのは制作側の意図通りのような気がしてちょっと気になりますが…… 本当はもっとエロがメインのバカな話なのかも(笑) 水樹奈々さんはいろんな作品に出られてはいますが、主役は久しぶりのような気が。

●グリザイアの果実
ギャグや細かい追求でハイテンションを保つのはエロゲっぽいなあという気はしますが…… このノリにはちょっとついていけません。

●オオカミ少女と黒王子
エリカは、オオカミ少女から、犬になりました…… バカですね(笑) メインキャラをを演じているのが櫻井孝宏・伊藤かな恵の両名であるというのもうれしいところ。

●天体のメソッド
話の方向性はまだよくわかりませんが、青春群像劇になるんでしょうか? ノエルの可愛らしさもポイント。風光明媚な湖のモデルは、洞爺湖あたりでしょうか。

●神撃のバハムート GENESIS
毎週放映作品としては珍しい、5.1chサラウンドによる音響。オーディオ的興味から見てみましたが、映像もなかなか良いです(資金が潤沢なんでしょうか)。話の方も、アーミラの目的などが気になります。

●異能バトルは日常系のなかで
普通なら異能に目覚めるということは何か非日常的な意味があるはずなのですが…… はたしてそういう方向に進んでいくのか。そうすると寿来の役に立たなそうな能力にも意味が…?

●四月は君の嘘
ピアニスト、ヴァイオリニストのパンツを撮る(笑) 芸術というのは表現者の内面の発露なので、単に技術だけが優れていてもダメなんです(ピアニストだとポリーニあたりはそんなことをよく言われていますが……)。一度は折れたアーティストとしての魂、公生は再び取り戻せるのか。かをりの天衣無縫さにも注目。阪田知樹・篠原悠那の2人のことはよく知りませんでしたが…… サントラの演奏にも期待します。

●俺、ツインテールになります。
総二も敵も、ツインテールバカ(笑) しかし自分がツインテールになっては、あまり意味がないような気が……

●ガールフレンド(仮)
椎名心実を中心に、女の子たちの日常的な交流を描いていくようなお話になるんでしょうか。クロエ・ルメールのおフランス訛りは、改めて聞くと強烈ですね(笑)

あと、『蟲師 続章』は前のシーズンに引き続き見ていきます。

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2014年第3四半期終了アニメのまとめ
2014年第3四半期のアニメがひととおり終了したので、まとめです。

●ガンダムさん
ギャグ作品としてはクスリとできる良作だと思います。シャアさんとララァさんのコンビもなかなか良かったです。

●グラスリップ
途中までは「未来の欠片」についてはあまり気にせず、普通の青春模様として見ていました。終盤で「欠片」が大きく取り上げられたので真面目に考えた方がいいのかと思ったのですが…… 結局明確な説明はなし。このあたりはバランスが悪かったのではないでしょうか。福井の風光明媚な街や、キャラクターは結構良かったと思うので残念。天真爛漫な少女が恋に戸惑うというのは良いです。キャラの内面や行動を見ると、興味深かったのは幸です。さて、ついでに持っているえちぜん鉄道三国芦原線・三国港駅の写真を貼っておきます(2011年撮影)駅の奥に印象的な跨線橋が見えます。東尋坊は出てきませんでしたね……

三国港駅(福井方)  MC6101形電車

●キャプテン・アース
この作品はロボット・アニメではあるけれども、登場人物同士の交流や触れ合いを描きたかったのだと思います。最後は愛で勝利しましたし(笑) 遊星歯車装置の面々はこれから普通の人として生きていくのだと思いますが、もう少し内面を掘り下げてくれてもよかった気がします。魔法少女アカリちゃんにはもっとラブラブしてもらいたかった(笑) 個人的には中盤でなぜか何回も録画に失敗し、見られなかった回があるのが残念。

●人生相談テレビアニメーション「人生」
だべるだけのアニメかと思いきや、いろいろとちゃんとした展開があり、意外。ふみは文系というよりはただの三国志オタだったような(笑) 愛すべき運動バカのいくみと理屈っぽい梨乃は確かにウマが合わなそう。キャラも良かったし、人生相談の回答も意外と良識的で納得できるものが多かったですね。梨乃と赤松は微笑ましかったです。

●精霊使いの剣舞
レスティアがひねくれた理由は? レン・アッシュベル再来の謎は? クレアの姉が凶行に及んだのは理由があるのでは? など、謎が残ったままで、それはこれから先の話になるんでしょうが…… これもキャラを楽しむ作品として見た方がよさそうです。カミトはほとんど唯一の男性キャラだったのですが、あまりイヤらしさはなく、わりと好感を持てました。ヒロインズの中ではエリスが良かったですね。クレアはもう少し頑張ってくれてもよかったと思います。BGMはアコースティックな楽器でクラシックっぽくまとめている印象。聴いたときに思い出したのは、シェーンベルク作曲の『グレの歌』ですが、第2部のヴァルデマール王が神を非難する歌で出てくるメロディーと同じでした。何か意図があって引用しているのか…… 気になるのでサウンドトラックCDを聴いてみたいのですが、映像ソフトの特典として付いてくる模様。どうしましょうかね……

●RAIL WARS!
これは鉄道アニメではありません。ただのお色気ラブコメアニメで、鉄道ネタはスパイスにすぎません(笑) 制作側もそう割り切っていたのかも。真面目に見ようとすると突っ込みどころが多すぎると思いますが、意外に楽しんで見られました。高山はモテすぎてそのうち胃が痛くなりそうですね(笑) ヒロインの中ではやはり、あおいとの距離が一番縮まっている気がします。一応鉄道ネタについて書いておくと…… 寝台特急北斗星号や急行はまなす号は何度も利用しているので親近感があります(はまなすのカーペットシートはなかかなか取れないので、まだ使ったことがありません)。伊達紋別駅で胆振線が出てきたのはちょっとうれしかった(笑) オープニングに出てくる路線図は、ロマンを感じます(特に北海道と九州)。

●Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 2wei!
イリヤとクロの可愛らしさがポイント。これからどんどん熱血スポ根的な話になっていく片鱗が見えました(笑) 次のHerz!も期待します。

●ペルソナ4 ザ・ゴールデン
ペルソナ4本編はずいぶん前に見たのでだいぶ忘れていましたが…… 足立の心情を掘り下げてくれたのは良かったです。そして今回のヒロイン・マリーも魅力的に描かれていました。本筋はあまり重視せず日常を重点的に描くように割り切っていたのは成功だと思います。

●アルドノア・ゼロ
伊奈帆、アセイラム、スレインの3人は、かなり対照的な主人公でした。この作品についてはこちらに詳しく書きましたが、そのほかに、伊奈帆はアセイラム姫のことをどう思っていたのか、考えるヒントを指摘しておきます。姫様がライエに襲われて意識を失ったとき、伊奈帆はマウス・トゥ・マウスで人工呼吸を行いますが、このとき伊奈帆は目を閉じています。しかし心肺蘇生法の研修を受けるとわかると思いますが、呼気を吹き込みつつ、ちゃんと空気が肺に行っているかどうか、胸の上下を見て確認するのが正しいんですよね、確か。伊奈帆さんよ、姫様の命を救う時に、目を閉じてそれ以外の何らかのことを考えるんじゃない(笑) ちなみに、最近アニメで見た人工呼吸シーンでは…… プールで溺れた女子を救助する場面から。『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』で鋭太が真涼に人工呼吸をする際は、目を開けていました。『ニセコイ』で楽が千棘にしようとした(未遂)ときも、開けていたようす。表面的に恋人ということになっている人たちでさえそうなのですから…… ねえ。

【その他、単発ものなど】
●<物語>シリーズ セカンドシーズン 〜 花物語
駿河が左腕の呪いから解放されるお話。かなりアクの強いキャラが多いこの作品の中では、神原駿河はわりと常識的な気がします(ちょっと変態ですが)。ヒロインズの中では駿河が気に入っているので、その駿河にスポットを当てた話はうれしいところ。沼地蠟花のひねくれぶりは極端な気もしますが、考え方としては納得できる部分もあります。終わり方も爽やかで、非常に良かったです。ただ、「セカンドシリーズ」の他の話はまだ見ていないんですが……

●蟲師 続章 特別編「棘のみち」
魂を入れ替えるとか、そんなことまでするとは…… 淡幽の感じる一抹の寂しさのようなものが描かれていたのが印象的。続編も期待しております。

●バディ・コンプレックス完結編 -あの空に還る未来で-
もとから粘着野郎だったビゾンですが、70年間にもわたり恨みつらみを熟成させて、救いようのない妖怪妄執ジジイとなって帰ってきた!(笑) しかし残念、カップラーたちの前には到底かなわないのでした…… 哀れ。かなり圧縮された展開という印象でしたが、時間移動やカップリング・システムの謎などはひととりちゃんと説明がなされ、丸く収まる形でよくきれいにまとまっていたと思います。いま、キャスティングを見ると非常に贅沢。

●アゲイン!!(ドラマ)
ちょっと話題になっていたコミック作品のドラマ化ということで、見てみました。原作を見ていないので比較はできませんが…… 金一郎が前向きになり、周囲を、そして自分自身を変えていこうと積極的に行動するのは、共感をもてるところだと思います。キャストでは、柴田麗緒役の小島藤子の優等生ぶりがなかなか良かったと思います。アベタマ役の久住小春は、『きらりん☆レボリューション』を時々見ていましたが、このような役もやるようになったのかと感心。

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『アルドノア・ゼロ』で見る戦争と正義と現実
実際のところ、伊奈帆が言うほど戦争というのは簡単なものではないのではないか、と聞いた時には感じましたが、いろいろ考えるうちに、「目的を達するか、目的に見合わぬ犠牲が出れば、戦争は終わる」というのは真理のひとつと言ってもよく、この作品が言いたかったことなのではないかという気がしてきました。

『アルドノア・ゼロ』は、サラエボ事件から始まります。……と言うのも、1914年6月28日に事件があってからちょうど100年であり、世間で取り上げられる機会も増えていたので、制作側がこのことを意識していないはずはないでしょう。実際にサラエボ事件が起こった後、20世紀の世界は大量殺戮が行われるすさまじい時代に突入していくわけですが…… この作品がこうして始まる以上、作品で描かれることと現実の問題をリンクさせて考えていくことが求められているのではないか、という気がしました。

封建主義の帝国や、資源や領土を求める侵略戦争、地球人を蔑む選民思想などを見て、極端なファンタジーだと感じられるかもしれませんが、つい数十年前までは普通に現実に存在していた話ですし、今だって自分たちに逆らう者は皆殺しにするような集団が中東で跳梁跋扈しているのですから。また、皇族の戦争責任という問題は、わが国にとっても他人事ではない微妙な問題であります(ザーツバルムのように恨みを抱いている人間だっているかもしれません)。

では、この作品では、戦争に対してどのような考え方が提示されているのでしょうか。戦争の悲惨さや身近な死、戦争に翻弄される若者たち…… といったテーマはいろいろな作品で繰り返し触れられてきたことなので、それ以外について見てみたいと思います。

まず、人々がいくら平和な世界を作り上げようと努力し、手を尽くして秩序を構築しても、わずかでも戦争を望む者がいれば戦争は始まってしまう、ということです。

サラエボ事件の場合も、犯人たちは民族主義的な動機だけではなく、戦争を通じて共産主義革命を実現しようとしていたという話があるようですが、ビスマルクなんかが必死に作り上げた勢力均衡の上に成り立っていた平和は、同盟規約による各国の自動的な参戦によって簡単に崩れ去ったのでした。そして大戦中にロシアで起きた革命で社会主義国家が成立し…… という展開をたどるのは周知のとおりです。そういう意味では犯人たちの目論見は成功したと言えそうです。

本作の場合、アセイラム姫の暗殺事件をきっかけに火星側は戦争を開始するのですが、暗殺の首謀者であるザーツバルムは皇族に対して恨みを抱いており、おそらくは戦争を通して皇族を破滅させようとしていました(もしかしたらクーデターを起こす気だったのかも)。また、火星側は地球の豊かな資源や領土を欲しており、何とか開戦したいと手ぐすねを引いていました。開戦の口実を作り上げ、皇族に対する復讐を果たしたザーツバルムは、ある程度目的を果たしたと言え、満足して死んでいったのかもしれません。

ここから考えるのは、戦争が起こる可能性をゼロにすることはできないのではないか、ということです。犯罪を完全になくすことができないのと同じで。外交努力を重ねて戦争が起こらないようにすれば軍隊は不要である、という考え方もありますが、犯罪がなくならないので警察をなくすことができないのと同じで、疑問です。外交に失敗して戦争が起きてしまったら、それまでの運命と思ってあきらめるしかない、他人を殺して生き残るより自分が死んだ方がましだという場合、死にたくない、他人を殺してでも生き延びる!という人に、死を強制できるのかという問題があります。

もうひとつ作品から見えることは、戦争がいったん始まってしまったら、個人の力ではどうにもならない、ということです。驚異的な洞察力と冷静な判断力で修羅場を切り抜けてきた界塚伊奈帆も、自らが戦争の引き金となったために戦争を止めようと奔走したアセイラム姫も、結局は銃弾に倒れました。スレインも、アセイラム姫を助けられませんでしたし。

では、そんな彼らにとっての「正義」とは何だったのでしょうか。本作では、"LET JUSTICE BE DONE, THOUGH THE HEAVENS FALL." という言葉が随所に出てきますが、これはラテン語の法格言 "Fiat justitia ruat caelum" (たとえ天が落ちるとも正義を為さしめよ)からきているようです。

伊奈帆にとっては、家族や友人といった身近な人たちを守るために、自分の立場で出来る限りのことは何でもする、ということではないでしょうか。アセイラム姫を「利用」する、としたのもその一環で、たまたま近くに戦争を止めることができるかもしれない立場の人がいたから、そうしてもらおうとしたにすぎないのでしょう。もっとも、彼女も伊奈帆が守らなければならないと感じていた人の1人になっていったのも確かなのでしょうが。

アセイラム姫にとっては、火星と地球のいがみ合いを止め、友好関係を築きたいというのが基本的な考えでした。しかし彼女が地球を訪問することは友好的な雰囲気を醸成するには役立ったかもしれませんが、その後どうするのかを彼女がどう考えていたのか、結局聞くことはできませんでした。火星側は隙あらば地球の資源と領土を手に入れたいと渇望しており、戦争を始める口実を探しているような状況でした。地球側にとっても、地球人を皆殺しにすることもいとわないような連中が喉元に刃を突き付けているような状況で、友好も何もあったものではないでしょう。

本当に友好関係を築きたいとするのであれば、火星の敵対的な態度と選民思想を改めさせるとともに、地球側からも譲歩を引き出し、食糧や資源を十分に入手できるような体制を作らなければなりません(ザーツバルムは領民の困窮を案じていましたが、皇族だって当然、国民の生活を考える必要があります)。そのためには、地球側にアルドノアの技術を開放することも視野に入れなければならないでしょう。彼女がそこまで考えていたのかは疑問です。また、ヴァース帝国が地球側の支配に対抗するために建国されたのであれば、地球と友好関係になろうなどと(それも皇族が)言いだすのは、国是に反するのではないでしょうか。そうだとすると、彼女が命を狙われるのは時間の問題だったのかもしれません。

スレインはわかりやすいですが、国や戦争のことなどは基本的にはどうでもよくて、アセイラム姫を何とか救いたいと思い、そのためにその時々で最善と考えることをしてきたわけです。皇帝に停戦を進言したのも、姫を捜索しやすくするためにすぎません。スレインは地球人だというので火星の連中から虐げられてきましたが、そのことを何とも思っていなかったわけはありません。アセイラム姫に命を助けられ、彼女がいたからこそ、やってこられたのでしょうから、その姫を助けたいと思うのは当然のことですし、何も間違ってはいません。でもね…… スレインがやったことはことごとく裏目に出てしまったようです。

正義を為すのはかくも難しい。

さて、「目的を達するか、目的に見合わぬ犠牲が出れば、戦争は終わる」という見解についてですが、最初聞いたときは、そんなに簡単で合理的なものではないだろうと思いました。現実には民族・宗教紛争では特に、互いに憎悪が増幅しあって泥沼になっていきますし、太平洋戦争においては、大日本帝国は勝ち目のない戦争をやめられない状況になって、あまりに大きすぎる犠牲を出しました。

ただ、この考え方は物事を冷静に考えるためには良い見方のようにも思えるのです。最近そのことを実感したのは、イスラエルと戦闘を繰り広げていたイスラム原理主義勢力が、停戦を受け入れたことです。双方とも相手の存在を決して認めず、泥沼の民族・宗教紛争の代表例ともいえるこの事案で、泣く子も黙る過激派武装勢力が停戦に応じたのはなぜなのか…… それは幹部が皆殺しにされるのを恐れたからでした。結局彼らも「見合わぬ犠牲が出る」ということを恐れたわけです。

本作で火星側が戦争をやめたのも、おそらく犠牲が大きすぎると判断したからです。伊奈帆たちが火星の騎士を何人も倒し、主戦派の急先鋒であったザーツバルムが死んだとはいえ、2話の冒頭で暴れていたような連中はまだ生きているでしょう。しかし貴重な人材をこう何人も失ったのでは、帝国の体制も危なくなると考えたのかもしれません。

「戦争なんて所詮は外交の延長であり、損得で動く。恨みつらみや憎しみなんてのはその次に来るにすぎない、くだらないものである」という考え方は、意外にも泥沼の戦争や対立を終わらせるには有効なのかもしれない、と思えてきたのでした。

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| アルドノア・ゼロ | 12:03 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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