評価:
マゼール(ロリン),チャイコフスキー,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ユニバーサル ミュージック
評価:
マゼール(ロリン),チャイコフスキー,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ユニバーサル ミュージック
先日亡くなったロリン・マゼールによる、チャイコフスキーの交響曲の演奏です。マゼールが亡くなる前に入手していましたが、この機会に聴いてみました。
2枚組シリーズものの "DECCA CLASSIC BEST 50" では、マゼールとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるチャイコフスキーの交響曲全集が聴けます。そのうち後半の第4〜6番が収録されたCDを入手。1963, 64年の録音です。チャイコフスキーをやるのにロマンティシズムは必要ない! と言わんばかりに、いずれの曲も金管や打楽器を派手に鳴らして、鋭い音楽づくりをしているようです。チャイコフスキーの交響曲を聴くと、特に第5番や第6番《悲愴》ではえもいわれぬ狂気を感じるのですが、そうした側面がよく表れていると思います。
マゼールによる録音では、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による1960年の交響曲第4番もあります。こちらは「BPO×DG 世紀の名盤100」シリーズで入手。後年のウィーン・フィルの演奏よりもタイムは速め。こちらも悪い演奏ではないと思いますが、なにぶん録音が古いせいか、音質があまりよくないように思えました。
また、NHKのBSプレミアムで、マゼール&NHK交響楽団によるチャイコフスキー:交響曲第4番の演奏が放送されていたのも見ました。そちらはあまり急がず、突っ込んだ感じはしませんでしたが、なかなか含蓄のある演奏で、すでに高齢ながら終演後の大喝采に飄々と応じるマゼールの姿が印象的でした。
チャイコフスキーの交響曲でウィーン・フィルによる演奏と言えば、やはり思い浮かぶのはカラヤン晩年の演奏です。このカラヤンとムラヴィンスキーあたりがチャイコフスキー交響曲の「定盤」と言われていますが、音楽づくりはだいぶ異なっていて、それぞれ良さがあります。改めて芸風の違いというものを感じます。
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