評価:
Bruckner,Karajan,Bpo
Dg Imports
時代がわりと近く、どちらも大編成のオーケストラで演奏されるからか、ブルックナーの交響曲とマーラーの交響曲はよく比較されます。最近はマーラーの曲ばかり聴いていたので、ブルックナーも聴きたいと思い入手したのは、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による全集(第1番〜第9番)。1970年代から80年代はじめにかけての録音です。
マーラーに比べると、ブルックナーの曲は人間臭いところがまるでなく、とにかく壮大で宇宙や大自然に圧倒されるような雰囲気があります。低弦がうなり、金管が吠えまくる! 大音響でガンガン鳴らして聴くのがいいでしょう。構成はワンパターンなので何曲も続けて聴くのはしんどいところがあります。マーラーは曲ごとに雰囲気が変わるので一気に聴けますが…… しかしこれはこれで良いところもあり、慣れてくると「そうだよ、これがブルックナーだよ」という感じになってくるので不思議です。鉄壁の両端楽章、勇壮なスケルツォ、そしてとにかく美しい緩徐楽章…… 管弦楽の醍醐味です。
カラヤンはマーラーの交響曲でも名演をのこしていますが、あまり取り上げることはなかったようです。一方ブルックナーには継続的に取り組んでいた模様。確かに人間臭さを排除したようなブルックナーの作風は、楽譜に忠実であまりデフォルメしないカラヤンの芸風に合っていたのかもしれません。
というわけでベルリン・フィルとの黄金コンビによるこの全集、悪いはずはなく、かなりパワフルで光り輝くような演奏を聴かせてくれます。金管がうるさく感じることもありますが…… ブルックナーの演奏はまだそんなに多く聴いておらず、曲ごとの雰囲気をつかみ切れていないので(ワンパターンなのでどれも似た感じに聴こえる……)、版の問題やどこがどう良い・悪いと指摘することは難しいですが、これは見事な演奏と言うことができるでしょう。
最近は安いボックスセットがいろいろ出ており、このような名演を安価で楽しむことができるのは良いことです。聴くのが追い付いていない状態ですが…… チェリビダッケやヴァントの演奏も聴いてみたいですね。ブルックナーの交響曲、第9番は生演奏を聴いたことがあるのですが、7番、8番あたりも聴いてみたいところ。
JUGEMテーマ:
クラシック音楽