評価:
ジュリーニ(カルロ・マリア),ブルックナー,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ユニバーサル ミュージック クラシック
評価:
ジュリーニ(カルロ・マリア),ブルックナー,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ユニバーサル ミュージック クラシック
最近はマーラーの曲ばかり聴いていたのですが、CDショップの店頭でかかっていたブルックナーも聴きたくなったので聴いてみました。
マーラーの交響曲は人間の苦悩、葛藤、栄光と挫折のようなものを思い起こさせる情熱的なものであるのに対し、ブルックナーの交響曲から思い浮かぶのは大自然、神などで、無機的なイメージなので、対照的なところがあります。また、マーラーの曲が室内楽的な充実した響きを求めているのに対し、ブルックナーの曲はとにかくスケールがでかく、金管が大いにうなります。なので金管が強力だとかなり迫力があります。
ブルックナーの交響曲で人気があるのは、第4番「ロマンティック」、第7〜9番あたりです。今回は第7番と第9番を。第7番を初めて聴いたのは、ここに挙げたカルロ・マリア・ジュリーニ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏でした。廉価盤「ドイツ・グラモフォン・ザ・ベスト1000」のシリーズで入手できますが、わたしが持っているのは同じ録音で、ずいぶん前にウィーン・フィルがテーマの分冊百科についていたものです。というわけでこの演奏を今まで聴いてきました。一般的な演奏と比べるとテンポが遅めらしいのですが、これで初めて聴いたのであまり気になりません。第2楽章アダージョの美しさ、第3楽章スケルツォの勇壮さ、両端楽章の荘厳さと、聴きどころは多いです。
未完成の第9番。この曲はマーラーの9番のように「死」が感じられ、この世を超越したような響きに圧倒されます。初めて聴いたのは、ジェフリー・テイト指揮、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の演奏でしたが、初めてでこれを聴くのはあまり良くありませんでした。わりと抑えめな演奏なので、金管が壮大にうなる曲の魅力を知るには力不足な感じがあります。一般的な演奏を聴きこんでから聴くと良さも感じられたかもしれませんが…… ということでジュリーニ指揮ウィーン・フィルの演奏も聴いてみました。こちらも遅めのテンポということですが、特に気になりません。スケルツォはガンガン刻んでいくテンポで、対照的です。
ジュリーニの演奏は、雄大なテンポで曲のもつスケールの大きさを十分に引き出していると思います。やはり強力なオーケストラで金管が響き渡る演奏を聴くと気持ちが良いです。ブルックナーの交響曲もいろいろな演奏を聴いてみたいですね。特に評判の良いギュンター・ヴァントの演奏など。
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クラシック音楽