クラシック音楽のCDを頻繁に聴いていますが、最近SACD Hybrid (スーパーオーディオCD再生層と通常CD層の両方があるディスク)の新譜が多くなってきました。これを通常のCDとしてしか聴いていないのは持ち腐れである気がしてきたので、SACDの再生環境を導入してみることにしました。
今までのAV試聴環境アップグレードの歴史を振り返ってみると、こんな感じ。
・DVDプレーヤーを購入(当時29,800円くらいだった)。
・DVDとVHSの一体型プレーヤーを購入。
・DVDとVHSが同時に故障したため、5.1chサラウンドシステム付きDVDプレーヤーを購入(これも当時29,800円くらいだった)。VHSは拾ってきた機器を使用(笑)。
・デジタルテレビ導入。DVDの画質に不満を感じ、Blu-rayプレーヤーも購入。←今ココ
SACDはマルチチャンネルにも対応していますが、すでに5.1chサラウンドシステムを持っているということは、SACDプレーヤーを買うだけでOK! と思いきや、そうではありませんでした。持っていた5.1chシステムの音声入力は光デジタルですが、SACDのマルチチャンネル音声出力は、HDMIしか対応していないという話(コピー防止の関係とのこと)。ということは、HDMI入力に対応したAVアンプも揃える必要があります。
SACDを再生できるプレーヤーのことを調べると、最近は「ユニバーサルプレーヤー」といって、いろんな規格のディスクをまとめて一つの機器で再生できるものがあるとのこと。場所を取らずに済むのがうれしいです。お手頃価格の、SONYのBDP-S370を入手しました。これはBlu-rayプレーヤーです。この薄さでBlu-rayディスクからSACDまで対応というのは驚き。プレステ3を考えればそうでもないかもしれませんが…… アンプはパイオニアのVSX-S300にしました。置き場所に困らない大きさです。
BDP-S370は、やはり「BDプレーヤーだけど、SACDもおまけで再生できるよ!」といった感じが強いので、CDを聴くときの操作性はあまりよくありません。リモコンのテンキーからトラックの選曲ができないのは不便です(送りボタンで頭出しはできますが)。テレビ画面から選曲することもできますが、音楽を聴くのにいちいちテレビをつけたくないですからね。音楽を中心に楽しみたい方や、音質にこだわりたい方は、音響メーカー製のプレーヤーにした方がいいのではないでしょうか。まあ、安価で入手できたのでこのくらいは我慢です。BDの視聴はまったく問題ありません(DVDのアップスケール性能などはまだよく確認していません)。
パイオニアのVSX-S300は、専用のパッシブウーファー(アンプを非内蔵のウーファー)接続用端子があるのですが、今まで使っていたパイオニア製5.1chシステムのパッシブウーファーを流用することができました。今まで使っていたスピーカーケーブルは、システム専用に端子が付いているものだったので、ケーブルも買い換えました。今まではサラウンドシステムの光デジタル音声入力が1系統しかなかったため、デジタル放送のマルチチャンネル音声を聴くときとBDの音声を聴くときとでケーブルの付け替えをしていたのですが、今回アンプの導入でこの不便は解消されました。HDMI連動機能でテレビ側からまとめてアンプの操作もでき、楽です。
さて、肝心のSACDマルチチャンネルの音質ですが、やはり非常に良く、臨場感があります。今まで持っていたハイブリッドSACDは、
・バッハ:ミサ曲ロ短調(鈴木雅明指揮、バッハ・コレギウム・ジャパン)
・ヴェルディ:レクイエム(アーノンクール指揮、ウィーン・フィル、アルノルト・シェーンベルク合唱団)
・ヘンデル:ディキシット・ドミヌス他(ヘンゲルブロック指揮、フライブルク・バロック・オーケストラ、バルタザール・ノイマン合唱団)
・マーラー:交響曲第9番(ノイマン指揮、チェコ・フィル)
の4つ。通常CDとの違いが特に感じられたのは、ヴェルディのレクイエムで大太鼓がロールするところ。重低音がずっしり響きます。フルオーケストラの音響は、アンプで変に音響効果をいじらなくても、十分コンサートホールの臨場感が得られます。
高品質な良いプレーヤー、アンプ、スピーカーを使えば、もっと違いの分かる音を感じられるのかもしれませんが、専用の部屋がなく安物の装備で揃えていますので、たかが知れています。オーディオはこだわり出すととことん深みにはまってヤバイようなので、今はこのあたりにしておきたいです(笑) ポピュラーな曲目は、SACDで揃えてみたいですね。