地獄少女・ゆずきの最初の仕事のターゲットは、親友・秋恵を地獄に流した真山梓であった…… ということで、三鼎も最終回です。
初っ端から利害関係者が依頼者・ターゲットになるとは、なかなかハードな仕事。地獄少女の口上は定型通り行うのですが、ゆずきも私情が入りまくっております。依頼者である秋恵の父親を焚きつけたり、自分の判断でターゲットを地獄へ送ろうとしたり。当然お咎めがあるようです。
結局、あいが地獄少女の役割を続けることになり、ゆずきは成仏した模様。少しでも納得した気持であの世へ行ければいいんですけどね、ゆずき。
秋恵の父親が藁人形の糸を引けなかったのは、自分が「父親」だったから。真山梓も娘として父親の世話をしていることを目の当たりにしたからでしょう。真山梓を地獄に流したら、あの父親を世話する人はいなくなってしまいますし。放っておいても、いずれ彼女は地獄へ落ちるわけですから。
しかし、そうするとことの発端である事故の原因を作った奴だけ、逃げ得なのか…… と思ったら、帰国したところを真山梓にやられてしまったようです。父親が死んで、彼女も未練がなくなったと。犯人が消えてしまって、空港の事件はよくわからないまま処理されることでしょう…… 地獄通信のうまい使い方でした。かなりシニカルな終わり方ですね。
●まとめ
最終回を迎え、全体を振り返ってみます。
「二籠」の最後、役割を終えて解放されたはずの閻魔あいが、また戻ってくる…… その理由は? というのがもともとテーマとして存在しました。それについては、どうやら後任の地獄少女を採用するため、ということのようです。ゆずきのような、不幸な女の子たちをスカウトしていたんでしょうか。ただ、最初の頃ゆずきにあいがとり憑いていたのは、肉体を持たないあいが具現化するためゆずきの肉体を借りているから、だと思ったのですが、ゆずきも普通の人間ではなかったわけで…… 別に幽霊でもかまわなかったということなのかな? そのあたりの説明が欲しかったところ。
お話の内容は、相変わらずよくできています。注目されるのは、地獄通信をテクニックとしてうまく利用したり、誰が誰を地獄流しにしたのかわからなかったり、生まれる前の人間を地獄に流したりした話でしょうか。また、何のために地獄通信は存在するのか? という問題に、柴田つぐみの言葉を借りて一応答えを出してみせたこと。そういう話を作ったところは意欲的だと思います。
ただ、なぜ地獄流しが行われたのかについて、あいたちがヒントを出すような説明的セリフを口にするのは、どうなのかな? と思いました。わたしの好みでは、そのあたりはあえて触れず、見る人に考えさせるような構成にしてほしかったなと。最後にあいが珍しく感情を表し、人間的なところを見せたのは、少し違和感がありましたけど…… あいにも変化が表れているということなんでしょうか。
あいが地獄少女を続けるので、一応は次期シリーズへつながる形ができております。パターンがあるので、いろいろなお話をたくさん作れそうですしね。永遠に地獄少女を続けることになると、あいはどうやってモチベーションを保つんでしょうかね(笑)
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