『俺修羅』はメディアミックスに相当力を入れているのか、スピンオフも含めていろいろな商品が売り出されています。というわけで、まずはスピンオフから攻めてみることにしました。本編の敷居が高く感じるときは、こうするのが良いのではないかと。
スピンオフ作品のひとつ、『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる+H』(画:稲瀬信也)は、本編で言うと、姫香や愛衣が登場する前のあたりに位置するお話。
この話の重要人物は、言うまでもなくこの話にのみ登場するキャラ「美空美晴」です。鋭太のことを「お兄ちゃん」と呼んで近づいてくるのですが、実際のところはある目的のために行動しており、なかなか強烈です。しかし、それ以上にこのお話は、真涼や千和の行動や考え方について知るには良いのではないかと思いました。
以下、ネタバレ。
美晴が鋭太に近づいたのは、真涼に対する復讐のためでした。自分のしたことに対する報いとはいえ、真涼はかなり打ちのめされています。あの真涼をここまで追い詰めるとは…… 美晴、なかなか強烈です。
このお話では、鋭太に近づく美晴…… という状況を通して、真涼や千和の反応がかなり描かれているので、その点が興味深いです。特に真涼は、鋭太とのキスについてあれこれ考えたり、鋭太におっぱいを触らせたり(!)と、いろいろやってくれます。鋭太と美晴とのキスを見て落ち込んだり、自分のせいで鋭太に迷惑をかけてしまうと焦ったり…… 真涼が鋭太についてどんなふうに思っているのか、その一端をうかがえます。千和とふたりで話すシーンが多いのも特徴。あの名セリフ(?)「ゆがんでんじゃない」も登場。
ヒロインズだけでなく、最後は鋭太がちゃんと活躍してくれたので満足です。真涼もマチ付き封筒にぎっしりの「お断りの手紙」を渡すという大盤振る舞い。これ、真涼が恋愛アンチになるに至った理由が書かれているとしたら、かなり貴重な文書なのでは…… そういうわけで、美晴の策に注目するだけでなく、真涼や千和(特に真涼)の行動や考え方について理解を深めるには良い作品だと思いました。
絵柄について。1巻の巻頭カラーはかなり良いです。そのあとはかなり変化が見られ…… 2巻の最後の方ではだいぶ個性的な感じになっています。これは作風の変化なのか、それとも原作るろお氏の絵柄に似せるのをやめたということなんでしょうか…?
スピンオフではありますが、本編ともつながっており、お勧めできるストーリーです。
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