トータル・イクリプスを見てなんかイヤ〜な気分になるのは、現実世界にも存在している問題を色濃く反映しているからでしょうか。
テロリストたちが侵入し、基地を占拠。実弾が配備されていない試験小隊の面々は、苦しい戦いを強いられることになりそう。図らずも、唯の指揮下でイーフェイやクリスカも戦うという、ドリーム・チームとでも言うべき状況になりました。この状況下では、あまりうれしくありませんが……
軍人とはいえ、非武装や投降した者も容赦なく撃ち殺されるのを見て、さすがにいい気持ちはしません。まあしかし、世の武装勢力やテロリストたちがやっているのは、まさにこういうことなんだろうと思わせます。「ママ〜」と泣く幼児も、「うるせえガキだ」とか言いながら殺していたらもっとサイアク(褒め言葉)だったんですが…… 放送的に厳しいでしょうか(笑)
テロリストたちは、国連の難民政策に反対しているもよう。やむにやまれぬ事情はあるんでしょうが、だいたいこういう場合、一部の人は高い理想に基づいて行動していても、組織を利用して良い目をみようとしていたり、殺しがしたいだけだったりするろくでもない連中が混じっているものです。特に組織の上の方は、平気で末端を切り捨てたり、汚い取引をしたりします。サンダーク中尉の考えによれば、今回は米国がバックにいるようですが…… さてどうなることやら。
トータル・イクリプスの世界では、BETAの襲来で人類は危機的状況に立たされているにもかかわらず、一枚岩にはなれないで、各国は主導権争いに明け暮れています。その裏側では、民族対立や差別が繰り広げられ、貧困や格差が拡大しているようです。BETA襲来のせいで、平等とか人権といった価値観が後回しにされ、そこに乗っかって既得権益のある者が支配を強めているからかもしれませんが、ここには現実世界でも噴出している問題が誇張される形で(誇張じゃないかもしれませんが……)描かれているように思われます。
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