評価:
ハーン(ヒラリー),ベートーヴェン,カヘイン(ジェフリー),ヴォーゲル(アラン),ロサンゼルス室内管弦楽団,バーチャー(マーガレット)
ユニバーサル ミュージック クラシック
評価:
ハーン(ヒラリー),バッハ,ミュンヘン室内管弦楽団,北谷直樹,コンテ(ロザリオ)
ユニバーサル ミュージック クラシック
ヒラリー・ハーンは、現在の若手ヴァイオリニストの中では一番の注目株と言っていいのではないでしょうか。そんなハーンは、デビューの時からバッハをよく取り上げているようで、CDの解説の中でもバッハの音楽に対する思い入れなどを語っています。
バッハのヴァイオリン協奏曲の評判が良いので、聴いてみました。SHM-CDで出ている、ドイツ・グラモフォンBEST 100シリーズから。どの曲も速めのテンポで、とても颯爽としており、気持ちの良い演奏になっています。躍動感があり、曲のもつ面白さを感じさせてくれるので気に入りました。オリジナル楽器全盛の時代ですが、これならモダン楽器でも対抗できます。
そして、バッハのアリアのうち、ヴァイオリンによるオブリガートが多いことに着目したおもしろいアルバム「バッハ ヴァイオリン&ヴォイス」が出ました。確かにマタイ受難曲やロ短調ミサをはじめ、カンタータのヴァイオリン・オブリガート付きアリアには、かなり技巧的なものもあります。以前アマチュアによるロ短調ミサの演奏を聴いたとき、「Laudamus te」でヴァイオリン・ソロがかなり苦しそうでした(笑)。テクニックのしっかりした人が弾いてくれたら、おもしろそうです。
ソプラノのクリスティーネ・シェーファーとバリトンのマティアス・ゲルネが歌い、伴奏はアレクサンダー・リープライヒ指揮、ミュンヘン室内管弦楽団です。ヴァイオリン・オブリガートはもちろん、ヒラリー・ハーン。アルバムのコンセプトはヴァイオリン・オブリガートなのですが、決してヴァイオリンが前面に出るのではなく、あくまで伴奏に終始し、歌を引き立てています。それでいて存在感があるのがさすが。聴きどころは、やはり有名曲のマタイ受難曲「私のイエスを返してくれ」「憐れんでください」とロ短調ミサ「Laudamus te」でしょう。
ヴァイオリン・オブリガートが印象的な技巧的アリアといえば、クリスマス・オラトリオ第4部の「私はただあなたの栄光のために生きる」がありますが、これはテノールの歌であるためこのアルバムには入っていないのが残念。
ヒラリー・ハーンのようなヴァイオリンの名手がオーケストラに参加して、何かカンタータ全曲を演奏してくれたら面白そうです。ほかのオブリガート楽器もそうですが。
若手のアーティストが積極的にバッハに取り組んでくれるのはうれしいですね。ヒラリー・ハーンはまだ無伴奏ヴァイオリンソナタ・パルティータの全曲を録音していないので(一部のみ)、今後に期待。ぜひ聴いてみたいです。
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