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●五項目の自主規制
『ノエイン』では路面電車の感想ばかり書いていましたが、最後にはまじめに(?)ひとつ……
『ノエイン』は近年まれに見るハードSFで、基本的にSF好きのわたしも満足でした。量子論をベースに物語を展開しているようで、実は人間関係をじっくりと描いているのがミソです。ユウの母親が考えを改めたり、ハルカの両親や郡山刑事の過去が明らかになったりと、それぞれの人物に深みが出ました。ハルカ自身も一連の事件を通し、自分を見つめなおすことになりました。量子力学も相対性理論も哲学的な側面がありそうですから…… 時空がシャングリラに収束されるという危機は回避しましたが、ラクリマがどうなったのかとか、いわゆる後日談はあまり詳しくは語られませんでした…… 想像にお任せします、といったところでしょうか?
『ノエイン』はラブストーリーでした。中核をなすのはもちろんハルカとユウ(カラス)ですが、イサミとアイの絆もみどころでした。どちらもほのぼのとしていてよかったです。ユウはハルカにぞっこんでした(笑)
『ノエイン』の美術は見事でした。丹念に描かれた函館の街、おぞましいシャングリラ遊撃艇のデザイン、3DCGで再現された路面電車などなど。特に音楽もあいまってノスタルジーを感じさせる函館の情景は見事でした。キャラクターデザインは結構特徴的で、戦闘シーンの劇画タッチの画など、アクの強い感じはありました。でもそれはそれでよかったと思います。やっぱり路面電車ですよ。2型式以上モデルを用意しているところが感心です。仮説「電車をリアルに描くアニメは良いアニメ」を証明してくれました(笑)
『ノエイン』をべた褒めしている感じですが、実際毎回興味深く見ていました。この作品は客観的評価でも、主観的評価(個人的好み)でも、かなりの良作でした。
今回は非常に密度の濃い内容でしたが、うまい具合にまとめられていました。
●コサギの心境の変化
●アイとイサミの絆
●着々と進む実験
中心はコサギ、でしょうか。
納戸から昔のビデオカメラを発掘したユウ。アイの両親の結婚式でカメラを担当することになります。しかしハルカが式へ向かう直前、コサギが現れてカラスと戦闘に……
コサギ、クイナに告白されます。まったく何をやってるんでしょうね、クイナ…… 唐突ですよ。そしてコサギはアマミクに会いに行きます。ハルカを逃がした件で責任を問われ、追放されたアイ。カジュアルな雰囲気に戻っていました。コサギにフクロウの死を知らされます。
●さあて、今回の路面電車は…… ノエインの電車は毎回褒めるまでもなくリアルなので、詳しく取り上げるのはやめちゃいました(笑) 走行音をよく聞いてみましょう。ブォォォォオン…… という独特の音。吊り掛け駆動ですね。こういう風にちゃんと音まで再現してくれるのはありがたいです。
電車の中で迷惑を顧みない女子高生。こらっ、電車に乗るときはちゃんとマナーを守りなさいっ(by鉄道ファン)。アイが注意します。偉いですよ。最近なかなかこういうことができないですからね…… しかし女子高生たちは生意気な小学生をちょっとシメることに…… 小学生にまで注意される自分たちを恥じなさい(笑) アイぴんち…… そこにイサミが現れ、口八丁手八丁でアイを救い出します。イサミも偉いですよ。泣き出すアイ。
「……助けてくれてありがと」
「どうか、フクロウのレイズが美しき場所で眠りますように」
ここ、一番しんみりきました。この感想書くためにもう一度見たら、かなりぐっときました。幼馴染ですもんね……
コサギはカラスと戦いますが、やはりカラスを本気で倒す決心はつかず…… パイプラインを切断します。あれれ、コサギもハルカ派になるんですか。どんどん増えますね(笑) しかし、いいんでしょうか、ラクリマからこわ〜いクイナおじさんが追いかけてきますよ? いや、それ以上に次回は大変なことになりそうです…… 函館上空に妖怪出現!?
ハルカの意識は、過去のいろいろな時空へ。これは以前に放送された話をよく覚えていないと、どこが違っているのか分かりませんね…… 篠原はヤなキャラクターがよく出ています。この人は粉飾決算とか株価操作とかしてないんでしょうかブツブツ…
●最初の頃出てきた3DCGの路面電車を見て、非常にリアルなので感心したのを覚えています。
8000形電車です。右の構図は、ほかの電車が走るときにも使われていました。もしかして手前の街灯とかも3DCGで作っているんでしょうか? だとしたら制作側の熱意に脱帽です。でも……
これが実際の8000形電車。屋根の上のパンタグラフは、アニメのようなシングルアームではないはずです。シングルアームパンタが使われているのは、同じ車体でも2000形・3000形です。それに、尾灯は赤なので、右側の電車のライトは赤でないと。――こんなことアニメを見ている人には何の関係もありませんね。
ユウはカラスに嫉妬…… ってカラスに指摘されてどうするんですか。アトリは本当に丸くなっちゃいましたね。和みキャラ? ミホもなんだかなついてますし。野鳥の調査も合ってるかも。
電話線が繋がっていない、階段下の古電話が鳴り出します。受話器の向こう側は別の時空と繋がっていて…… 両親の過去が見えてきます。でも過去は変えられない…… というお話。
本筋とは少し違うかもしれませんが、「電話の向こう側に超現実的な世界がある」という状況が、とても怖く思えました。特に最後、電話の向こうから自分の声が…… というところとか。体験として、駅にいるときに公衆電話がしつこく鳴っていたことを思い出しました。駅員の人が電話に出て「これは公衆電話です」みたいなことを言っていたみたいですが、わたしが出る立場だったら、と思うとちょっと怖いのです。
これは「電話」というもの自体への怖さがあるのかもしれません。電話が鳴るといつも身構えますからね。ホラーの「着信アリ」みたいな状況は、考えただけでも怖いですよ。今回のお話は、そういう人々が電話に対して抱く感情をうまく利用していたなと思ったのでした。
電車が出てこないのにノエインで記事を書いたのは初めてかも…… お話も興味深くなってきたところです。
アトリ、前回でいなくなっちゃったのかと思いましたが、まだ何とか生きてましたね。記憶をなくしてしまったということですが、ずいぶん丸くなりました。今までがエキセントリック過ぎたんですね。「未来人」の秘密、雪恵先生にばれてしまいましたけど…… 別に秘密じゃないんでしょうか。
●今回は大活躍でしたね。何がって、710形路面電車です。ストーリーに絡んできました。
ボーッとしたまま歩いているアトリ。危ない!
間一髪でトビに助けられました。いのちをだいじに。
内田と郡山の2人、ハルカたちの乗った車を発見します。
キャアアアアア!
郡山さん危険すぎ! 道交法違反で逮捕されますよ。
この前にもシングルアームパンタ搭載の電車が見えました。遠くて形式はわかりませんでしたが。
※路面電車と自動車のおはなし
路面電車のある都市で生活していれば当然のことかもしれませんが、基本的に自動車が軌道内を走行するのは禁止です。戦後路面電車がどんどん廃止されていったのは、自動車が増えた自治体が軌道内の走行を許可したため、電車が時間通りに走れなくなったことも一因だと言われています。
さて、路面電車と自動車の衝突事故が起こるのは、自動車が右折時に軌道を横切るときが一番多いようです。右折するときは後ろにも気をつけないといけませんね。
それから二輪車で走る場合は、斜めに軌道に進入すると、特に雨の後などは滑って転倒することがあるようです(実際に転んだ人に会ったこともあります)。直角に渡らないといけないわけですね。
作品中では路面電車はそのまま走っていきましたが、前に人や車が飛び出したら運転手さんはびっくりして急ブレーキです、普通。電車は自動車以上に「急にとまれない」ので、
よい子はマネしないように……
ついに本気の戦いに突入するカラスとフクロウ。劇画タッチの戦闘シーンはなかなか迫力があります。函館の埠頭が被害を受けているんですけど……
ハルカが別の時空を見る場面で、画面がビスタサイズ(左)からシネマスコープサイズ(右)へ。こういうことも演出に使えるんですね。
トビ、ユウと接触します。何を話そうとしたのかな?
ハルカは時空を超えた存在。ハルカが見たものが現実となる……(という解釈でいいんでしょうか?) 冒頭でハルカが見た夢は、プロセスに多少の違いがありますが、結果としては同じになったのでした。ノエインってどういう存在なんでしょう……
アトリ、ふたりの戦いに乱入し、壮絶な最期を遂げます。ここでさよならですか…… イカれたキャラクターがいなくなってちょっと寂しくなりそうですね(笑) フクロウ、ハルカを守るためにカラスと協力することを決意したのですが…… 願い叶わず。カラスはこれからどうするのか……
●ハルカのフラッシュバックで出てきた路面電車。
800形電車です。812号車は現役のようです。函館市交通局のホームページで見るのと色が違いますが。右は同型の810号車の写真。
函館駅のホーム。雰囲気出てます。ユウの右の列車は、写真と同じくキハ183系「北斗」かな?
バックに国鉄色の特急が見えます。485系「白鳥」でしょうか。たぶん臨時列車以外は上の写真左のように改造車の3000番代で来ると思いますけど。
もとの世界へ戻ってきたハルカ。ユウは心配していたのに…… その扱いですか(笑) ユウがもっとだめになっちゃうぞ。
ハルカ、カラスを自宅にかくまいます。「何か拾ってきたんじゃないでしょうね」「うん、カラス!」――これで成立しませんか? 天井から腕が…… 怪奇現象です。
母親に耐えかね、ユウはついに家出。複雑な事情があるようですが、さすがに母親のやり方はひどいです。あんな剣幕で凄むなんて…… コワイですよ。家出が夏でよかったですね。極寒の地北海道で、冬に野宿すると確実に凍死です。冬に北海道に行ったので、よくわかります。アトリたちも野宿しているのでしょうが…… 夏でよかったですね。
「カラスは、15年後のユウなの?」と尋ねるハルカ。さすが、鋭い直感です。カラスは「誰であろうと関係ない」といいますが…… ユウのほうは、人ん家の机の引き出しを漁る始末。そんなんでいいんですか(笑) ハルカ、ユウもかくまおうとしますが、「カラスもいるけど、気にしなくていいから」――気にするよ(笑) 次回は、修羅場でしょうか。
●今回の函館市電
またもや715号車です。今回は車内も。――空きすぎ。
これは遠目なので形式は分かりません。
今回は、別の列車も出てきました。札幌のおばあちゃんの葬式の帰り、ユウたちが乗った列車です。
特急列車のようです。キハ183系「北斗」か、キハ281・283系「スーパー北斗」でしょうか。ディーゼルカーのはずですが、TVの音を聞いただけでは、よくわかりません。ユウが「電車」じゃなくて「列車」って言っていたのは正しい表現だと思います。――列車空きすぎ。
ん? 上と窓の配置が違うんですけど…… 上は座席2列につき窓1つですが、下は1列につき1つになってます。これじゃグリーン車! 上が正しいでしょう。
●小ネタ
ぱにぽにのネタを指摘するのは骨が折れますが、これくらいなら。
SEICO Clock
おなじみ「きのこな山」
●函館の風景
函館に行ったとき撮った写真と比較です。上がアニメ、下が写真です。
言わずと知れた、函館山からの眺め。ロープウェーで上ると、展望台があります。――そこで手すりを揺すりながらブツブツ言ってるのは誰ですか?
函館山ロープウェーのふもと近くにある、カトリック元町教会です。塔の形に注目。アニメでたびたび出てくる石畳の坂道も、この近くです。
最後に、本物の函館市電でした。
ハルカがいなくなって、動揺する一同ですが…… 雪恵先生と内田ちゃんは本来の話題からはずれて女の闘いに入ってます。ミホは宇宙人の仕業と言い出す始末。儀式を執り行いますが…… 先生が本気になっています。何なんでしょうこの先生(笑) それを見るミホの笑みがこわいよ!
ラクリマへ連れて来られたハルカを見ても、ハルカを利用しようという方針は変わりません。ハルカのピンチに、カラスが現れて彼女を助け出します。ちょっとカッコイイぞ。
ラクリマにシャングリラからの攻撃です。異形の怪物たち…… 気持ち悪いです。あれだけ気持ち悪いデザインに感心します。壮絶な戦闘でした。でもクイナはシャングリラと密通しているんでしょうか。
ラクリマへ来てしまったハルカ。ケージで出された食事、密林の部族と一緒に生活するテレビ番組で出てきそうなイモムシです(生きてます)。でもハルカはあまり躊躇せずに食べてしまいました。「……意外といけるかも」と完食。さすがです。わたしもイナゴとか蜂の子とか、いちど試しに食べてみたい気はするんですが、生きているのはどうですかね。
ハルカから見れば未来にあたるラクリマ、かなり荒廃した様子です。でもミホの娘はミホにそっくりでした。しかし、未来があんなことになっていると思ったら、誰しもショックでしょうね。
●地上の瓦礫の山の中に、無残な姿をさらす函館市電2000形(涙)。被爆後の広島・長崎を撮った写真を思わせます。函館市電2000形の現在の姿をご覧になりたい方は、左の欄のリンクからどうぞ。